日本とこんなに違う!ハワイのリフォーム事情 サンナカ・ウエスト社 中山盛智社長に聞く

更新日 2021.09.14

ハワイではかなり築年数の進んだ中古物件でも状態が良ければ高値で取引されることもあり、不動産オーナーにとってはリフォームやアップグレードは重要な課題。その一方で「なかなか思ったような仕上がりにならない」「思っていたより時間がかかる」といった経験をされた方も多い。

今日は、日本からアメリカに進出しハワイとLAで住宅や店舗の設計・リフォームを手掛けるサンナカ・ウエスト社の中山社長に、日本とハワイのリフォーム事情の違いについて伺った。
 

中山 盛智氏
プロフィール サンナカ・ウエスト LLC CEO/代表取締役(ハワイ・LA)。 香川県高松市生まれ。2003年USKグループ会社アメリカ現地法人Sannaka-WEST LLC(日本家具・インテリア小売業・店舗デザイン施工)設立。 以後17年間、世界で和のスペシャリストとして空間デザインを幅広く手掛けながら、米国にて2社展開中。ハワイ直営インテリアショールーム運営。これまでの実績として2011年ハワイ開催APEC各国首脳会議会合ホテル設営空間プロデュース他、ハワイ日本総領事館、国内外の住宅、店舗、ホテルなどの和・洋空間デザイン責任者として活動。米国建築デザイナーとコラボレーションするなど数々の作品を手掛けている。米国BIA(Building Industry Association of Hawaii)メンバー 。
 

こんなに違う!ハワイと日本のリフォーム業界の構造

中山社長:

まず日本とハワイのリフォームで大きく違うのは、リフォーム関連の業界の構造です。

【日本の場合】
1.工務店やハウスメーカーに相談
2.デザインや仕様の確定(商品手配・予定日時に納品)
3.着工・完成・終了(ほぼ予定日に終了)

日本の場合には、このように工務店やハウスメーカーを窓口としてリフォーム工事全体が一元管理される仕組みがあります。そのため工期が予定より大きくずれることはあまりありません。


一方ハワイではこのようになっています。

【ハワイの場合】
1.設計士、ゼネラルコントラクター、デザイナー等に相談
2.デザインや仕様の確定(商品の手配方法はまちまち)
3.パーミット(工事許可)の申請  
4.工事開始 
5.専門業者がそれぞれ作業
6.完成・終了(まず予定日に完成しない)

このように日本に比べてプロセスが多くなります。
最初に相談するのは設計士や、ゼネラルコントラクター(編集部注:日本の工務店に近い)や、デザイン会社のデザイナー、またお付き合いのある不動産屋さん、といった色々な入り口があります。それにより仕様の確定や建材・部材の調達方法もまちまちです。
 

ちなみに弊社は設計デザインを行うとともに、一般のお客様だけではなく、ゼネラルコントラクター等に建材・資材を卸すサプライヤーとしての立ち位置も担っています。

サンナカ・ウエスト社が納入した
日本製のバスタブなど


そして事項でもお話ししますが工事許可の申請・取得も非常に時間がかかります。いざ工事を開始してからも、コントラクターと呼ばれる水回りや電気工事など各専門業者などの日程調整がなかなか日本のように取れないこともしばしば起きます

こんなに違う!リフォーム工事の時間軸

中山社長:
 

上記のように各プロセスが日本とは大きく異なることから、基本的に「ハワイの工事は予定より延びるもの」とお考えいただいたほうがいいと思います。ここで、日本よりも時間がかかってしまう工程についてもう少し具体的にお話ししたいと思います。

建材や部材の調達に時間がかかる

デザインや仕様の確定ののちに建材や部材の調達を行うわけですが、島であるハワイにとってはこの資材調達のプロセスはハードルが高いです。大きな建材などの調達には船便を使うことが多くなるため、デザイン的に気に入ってもハワイでは調達不可だったり、何か月もかかる商品も多く、よく在庫状況などを把握できてない会社を使うと時間が大幅にかかってしまいます。ここは、日本国内の常識とは大きく違うところです。

パーミット(工事許可)を取るのに時間がかかる

水回りや電気系統、また建物の躯体に関わるような工事には工事計画のパーミットが必要です。
工事内容にもよりますが、ホノルル市など自治体からの工事許可、またコンドミニアムであればコンドミニアム管理組合(AOAO)のパーミットも必要なケースがほとんどです。このパーミット取得だけで数カ月待たされる、というのはザラです。

業者が現場を掛け持ちしすぎて時間がかかる

水道や電気業者など専門業者を調整するわけですが、これらの工事は工程としてどうしても前後がずらせないものも多く、また工具や部材の搬入など作業スペースの面などでも同時進行できないものも多くあります。

しかし、専門業者の各社は通常、現場をいくつも掛け持ちしているため、希望の時間に来てもらうことが出来なかったりと連携が取れずこれもまた工期が延びる原因となっています。
 

ハワイでは上記のようにスケジュールや工程がずれる要素が多いため、全体的にスケジュールが押してしまうということがご理解いただけるのではないでしょうか?

サンナカ・ウエストの強み

中山社長:
弊社の強みはハワイと日本との違いを踏まえて、日本のお客さまにも安心していただける形でリフォームのプロジェクトを実施できることです。

強みその1:デザイン・設計から設備工事までをワンストップで行える 

まずデザイン・設計から設備工事までをワンストップで行えることです。日本人にとっての使いやすさ、サイズ感などをよく理解した上でご提案しています。



また住宅や店舗のデザインの中に、たとえば坪庭や檜風呂、畳など「和のテイスト」を入れたデザインから施工までを「日本のクオリティ」でご提供できる数少ない企業です。

 

強みその2:日本の本社があるからこその調達力

弊社は日本に本社があり、住宅設備や建材の取り扱い、また自社で家具の製造も行っているため、リーズナブルな価格でハワイでは調達しづらい機能やデザインに優れた日本製の商品が入手できます。また自社で仕立てたコンテナで定期的に日本からハワイに輸入しているため、納入までの日程の誤差が少ないのです。

日本式の深いバスタブ、使い勝手の良いシステムキッチン、収納も豊富な洗面台など日本のメーカー商品の調達には自信があります。

コンドミニアムのお部屋に
マッチしたシステムキッチン


 

また店舗の内装デザインだけでなく、造作家具などの製作やイス・テーブル、調理器具、食器などの小物もセンスのよい日本製の商品を一括して供給可能で、ハワイの飲食店さんに喜ばれています。


 

強みその3:VRや3Dでのデザイン提案など最新テクノロジーを駆使

また、弊社ではデザイン提案の際に、VRシステム(ヘッドマウント型ディスプレイを使いバーチャルリアリティ空間でデザインを見ていただける)や3Dでのデザインレンダリングなどで、なるべく仕上がりイメージを体感していただけるテクノロジーをいち早く導入しています。

いかがでしたでしょうか?ハワイで新築、改築、改装、リフォームや日本製のインテリア、家具のご相談は、日本クオリティが安心のサンナカ ウェストまで。

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