ハワイの商業不動産にも強いエージェント池田多聞さんにインタビュー 

更新日 2022.04.26

池田多聞さん(スターツインターナショナルハワイ マネジメント・エグゼクティブ)に、いままでのご経歴やハワイの商業不動産のマーケットや、スターツ社が手掛ける駐在員向けの賃貸物件サービスなどについてお伺いした。

池田 多聞さん(いけだ たもん:スターツインターナショナルハワイ所属)のプロフィール

多聞さん:

わたしは全日空(ANA)グループで、不動産開発や管理を担う全日空ビルディングの海外事業部からキャリアをスタートしました。そこから約30年にわたり、ANAカラカウアセンターをはじめ、ハワイ州やカリフォルニア州、またオーストラリアでも不動産開発・アセットマネジメント・仲介など、事業主や投資家に対する不動産サービス全般を提供してきました。

2021年は住宅マーケットも好調でしたので、住宅の売買も30件以上手掛けましたが、同時に商業不動産の物件も10件以上手掛けました。ハワイにおける数少ない商業不動産のプロを自認しています。


商業不動産物件を探すだけでなく、リカーライセンスや営業許可の取得など開業までのもろもろのプロデュースもしています。

ハワイの商業不動産の現状


多聞さん: 
パンデミック以降、ハワイの商業不動産への引き合いは、日本からの新規出店こそ海外渡航規制のために減っていましたが、2022年に入り活況です。

ハワイ全体の観光業が7-8割の戻りとなってきた今、ハワイへの出店計画を再開しようという日本企業からの問い合わせに加え、すでに運営中で業績好調なレストランからは2号店・3号店の出店計画の相談も増えています。さらにアラモアナ地区のケアモク通り周辺などは再開発で移転を余儀なくされた店舗も多く、移転先探しのご相談も多いですね。

エリア的にはワイキキに比べて、比較的賃料が安く、観光客よりローカルを狙っていくカイムキ、キング通り沿い、カカアコエリアが元気で出店も多いです。

こういった飲食店やリテールなどの物件に加えて、ホテルやビル一棟物件、倉庫、ゴルフ場などの大型案件も動いています。

大型商業不動産はコンフィデンシャル性が高いため、商業用不動産の検索データベースに乗らない、水面下で動く物件が多いのが特徴です。こうした物件の場合は、投資家の方に守秘義務契約を結んだ上での情報提供となります。

ハワイに進出・出店を考える投資家や店舗オーナーが知っておくべきこととは?

多聞さん:
いくつか、投資家や出店希望の方が注意していただきたいポイントがあります。

商業不動産のリース契約書は、定形フォーマットがなく、契約ごとに内容の差が大きい

ハワイ不動産協会が不動産エージェント向けに各種契約書のひな形を数十種類シェアしているのですが、そのうち商業不動産用の契約書はたった数種類のみ。
そのくらい、住宅用不動産に比べて、商業用不動産というのは契約書の自由度が高く、それぞれの契約書の内容がまちまちなのです。

通常20-30ページくらいの契約書が一般的ですが、これがアラモアナセンター内などモールへの出店契約となると70-100ページくらいに増えることもあります。

またリース契約について双方が基本合意してからもペーパーワークがあり、実際に法的な効力を持つまでにはプロセスがありますので、その点も注意です。弁護士を入れて、細かいところまで確認することをおすすめします。

開発条項や保険関連の条項には注意!

特に契約の中で注意していただきたいのは、開発条項です。大家が再開発することを決めた際、退去までの猶予期間や費用負担などの条項です。厳しいものだと大家が開発を決めたら、問答無用でデモリション(解体)という条項が入っていることもあります。移転先を見つける猶予もなく、店舗内装などにかけた費用なども無駄になってしまう厳しい条件となっていないか。要注意ポイントです。

また敷地内でお客さんが怪我をしたといったLiability(賠償責任)関連の保険も要注意です。オーナーによっては非常に高い保険に入ることを契約条件に含めていることがあり、保険料が運営上の重いコストになってきます。
 

店舗をプレミアムごと引き継ぐ場合には基本的にアセットパーチェスをおすすめ 

既存の事業を買収(M&A)しての進出というと、その会社を株式含めてまるごと買うというイメージの方が多いと思いますが、このストックパーチェスという方法だとあとから思いがけない負債などが出てきた場合に、それも引き受けざるを得ません。

なのでご自身で新しい会社を設立し、その新会社として別の企業から欲しい資産価値部分だけを買うという「アセットパーチェス」という手法のほうが安全な場合が多いです。もちろん物件、案件によっては、いわゆるM&Aをしたほうが良い場合もありますので、そこは吟味が必要です。

駐在員の方向けの賃貸物件探しもスターツインターナショナルハワイで!

多聞さん:

駐在員の方やハワイに移住をしてくる方に向けて、ご自宅を探すサービスが好評です。ご希望の価格やエリアを伝えていただければ、お好みにあった賃貸物件をお探しします。日本人の方が気にされるポイントを踏まえて、ハワイ内の不動産会社ネットワークや、ネット上の募集などもくまなく探して、ハワイ生活を気持ちよくスタートしていただけるお部屋探しのお手伝いをします。費用は家賃の1ヶ月分となっています。賃貸物件をお探しの方はぜひお問い合わせください。 

関連キーワード

各カテゴリーのお知らせを見る

不動産会社・
エージェントにお問合せ
閉じる