コロナ前後のハワイ不動産の賃貸マーケットを投資家目線でをプロが解説! 岡崎恵子さん(グレイス・インターナショナル・ハワイ不動産)

更新日 2022.08.01

パンデミックから2年半。ハワイ不動産の動き

岡崎さん:
パンデミックが始まった2020年からの今までの約2年半。ハワイの不動産マーケットには大きな動きがありました。

私は不動産エージェントであり、自分でも不動産投資を行っている投資家でもあります。そして約60件の不動産管理もオアフ島内の主要なエリアで行っています。

今日は、ハワイ不動産投資を考える方へ、「投資家の目線で」オアフ島の不動産の売買や賃貸のマーケットがどのように動いているか、そしてこれからの見通しについてお話ししたいと思います。

ハワイ不動産売買は、バランスの市場へ向かっています

まずは、売買のマーケットについて少し振り返ります。

2020年からハワイ不動産は特に戸建を中心に大幅な値上がりを見せました。最大の理由はアメリカの不動産ローン金利が歴史的に見て最低レベルにあったこと、それを機に自分の家を買いたいハワイのローカルや、ハワイ州外からオアフに移住して来たいと言う人の需要が高まったことです。

2020年-2022年前半まで売り出し価格に対して107~110%以上高い値段で売買が成立する”Bidding War(入札合戦)”とも呼べる状態が続きました。
 

2022年に入り、アメリカの不動産ローン金利が5%台に急速に引き上げられ、2年前の水準に戻ったことから、取引件数や取引総額などの指標において、沈静化が見え始めています。2022年前半までの過剰な売り手市場が落ち着いてきて健全なバランスになりつつあるので、購入を考えるには悪くない時期だと思います。

ハワイ不動産は常に世界からバイヤーが集まるマーケットですので、 多少のアップダウンはありながら 長い目で見れば今後も値上がりは続いていくことでしょう。

パンデミック前後のハワイの賃貸マーケットは?

売買価格ほどには変動しなかった賃貸価格

パンデミックによって大きな値上がりを見せたハワイの不動産マーケットですが、売買金額ほどには賃料の変動はなかったと言えます。パンデミック中に賃料を下げた物件でも大体5~8%程度でしたが、すでにほぼ元に戻っています。

変動があったのはスタジオなど1500-2000ドル前後の比較的賃料の安い物件で、5000ドル以上といったラグジュアリーな物件はミリタリーや連邦職員など家賃補助がある借り手も多いため、あまり変動はありませんでした。

空室期間を作らない!稼働率を高める管理を重視

投資家目線で不動産管理を行う上で、わたしがとにかく大事にしていることは「空室期間を作らない」こと。これが利回り確保の観点で絶対に欠かせません。

パンデミック初期には失業や一時帰休などで、 家賃の支払いに困るテナントさんも出ましたが、公的な住宅補助金なども緊急に注入されたため、 管理側としてもテナントさんにこういった公的支援でのつなぎを最大限受けるよう案内して、滞納が起きないようアドバイスを続けました。 また、マーケットに合わせた賃料設定の見直しなど細かな調整を続け、稼働率を守りました。

2021年末に、 家賃滞納者を退去させてはいけないというハワイ州の立ち退き禁止命令(モラトリアム)が終了しました。ここがいわば「パンデミックの終了宣言」とも言えるターニングポイントでした。
 

現在は、ハワイ大学のキャンパスには学生さんが大量に戻ってきて家不足が起きていたり、ハワイ州関係やミリタリーなど堅い職業の人口が増えていることもあり、賃貸マーケットも堅調です。
 

日本人の投資家からよく聞かれる
「購入価格が上がった分、賃料に反映できますよね?」

購入価格が賃料に反映されるのには時差がある

ハワイ不動産の売買マーケットの統計というのは、いろいろな形で検索することができますが、実は賃貸マーケットのデータというのは一括でまとまったものがないんですね。

よって、上記のようなデータはすべてわたしが投資家として、また管理会社として、実際の賃貸物件を募集広告に掲載したり、入居・退去者の問い合わせや審査を通じて得てきたリアルな情報です。

日本人投資家の方からは「売買価格が上がったんだから、貸し出す際の賃料もその分上げられますよね?」というご質問を頂きますが、わたしの実感としては、売買価格の変動が賃料に反映されるのには約半年前後の時差があります。不動産価格が高騰しても、借り手の給与がそのまま連動して即上がるわけではないからです。
 

リノベーション費用もかけすぎは禁物 

同じく「リノベーションにコストをかけたからその分、高く貸せるだろう」というのも、そのコンドミニアムのグレードやエリアとの兼ね合いが大事。やり過ぎは禁物です。

購入時の資金計画の段階から、ここならいくらくらいで貸せるのか、どういった修繕やリノベが必要なのか、管理費の将来的な上昇など様々な材料を織り込んだ上での利回り計算を行っています。 


 

日本人投資家は、日米の不動産ローン金利差で有利

その方がどういった目的でハワイ不動産に投資したいと考えているのかによって、投資すべきか?またどんな物件がよいのか?のお答えは変わってきます。

ローンを組んででも買いたいのか、余剰資金のキャッシュを使って買いたいのか?また運用益を狙いたいのか、長期的に見たキャピタルゲインを狙いたいのか、また日本円資産をドル資産に分散させたいのか?カカアコの2ベッドルームを一部屋買うか?それともワイキキの小さめの部屋を2つ買うか?など、その方のお考えによって物件の選択眼も戦略も変わってくるのです

ただ、ローンを組んで買う場合にも、アメリカの金利が5.5%(※1)となりアメリカ本土のバイヤーの買い控えが起きつつある今、日本では海外不動産用のローン金利が2.8%と、アメリカ人から見れば羨ましいほどの低金利。日本人バイヤーの方は有利な状況と言えます。 

※1 30年固定不動産ローン金利6月16日データ
※2 東京スター銀行の例 7月13日データ


値下がりしないドル資産、安全な投資先としてハワイ不動産をお考えになる方は、運用実績が豊富な私にぜひご相談ください。

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