ホノルルリアルター協会が発表した統計を元に、2025年7月のオアフ島不動産マーケットの動向をレポートする。
オアフ島の不動産マーケットは、戸建て、コンドミニアムともに、売上件数が前年比で減少をみせ、価格にも調整が入った1ヵ月となった。
ホノルルリアルター協会による
2025年7月のマーケットレポートサマリー
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戸建ての中間価格は$1,075,000で、前年同月比5.7%減
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戸建ての販売数は249件(前年同月は約269件)で2.9%減
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売出期間は中央値で20日間(前月比+5日)
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コンドミニアムの中間価格は$490,000で、前年同月比3.7%減
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コンドミニアムの販売数は約389件(前年同月比と同数)
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コンドミニアムの売出期間は中央値で50日間(同月比+10日)
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
2025年7月のオアフ島不動産市場における中央値価格は、戸建て住宅が1,075,000ドルであり、前年同月比5.7%の下落となった。これは2024年7月の1,140,000ドルから約65,000ドルの減少であり、市場全体として調整局面であることを示している。
一方、コンドミニアムの中央値価格は490,000ドルで、前年同月比3.7%の下落となった。2024年7月の508,750ドルから約18,750ドルの減少であり、こちらも価格がやや軟化している。
価格帯別の販売件数
次に、価格帯別の販売件数を見ていく。
価格帯別では、80万~99万9,999ドルの区間が最も活発で、全体の約30%を占めた。ハワイの市場として高金利の時期においては、キャッシュで購入できる富裕層・投資家層による高額物件のほうが活発な動き見せることが多かった。今月、中間価格帯の物件が動いている背景として、金利の安定と実需における買い手の意欲の高まりが背景にあるとみられる。
続いてコンドミニアム。
価格帯別では30万~40万ドル未満の価格帯が772件、40万〜50万ドルが70件と大きな比率を占めた。この価格帯で全販売の36.5%を占めた。手頃な価格帯の需要が強いことを示してい。その一方で、2ミリオンドル以上の超高額帯の物件も11件売買されており、前年同月比5件から120%の伸びをマークしている。
売出し期間
チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。
売り出し期間、戸建て住宅が20日であり、前月の15日からも5日延びた。
コンドミニアムの売り出し期間は50日で、前月の40日から10日伸びた。
前年同月では30日からだったことこと考えると、販売スピードの鈍化の流れは続いている。
しかしエリア別で見たところ、ばらつきが大きくなる。例えば、戸建てでみると成約まで最も早かったハワイカイで中央値は8日。と全体の中央値を大きく引き離した。一方で長くかかったマカキロは30日、エバプレイン25日など地域差が大きく出ている。 人気のある場所・物件は相変わらず競争がある。
市場在庫・新規売出し物件数
チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド
市場在庫については、戸建てが前年同月比18%増コンドミニアムが31.7 %増と、いずれも前年を大きく上回った。ただし前月比では戸建てが1%減コンドミニアムが3.3%減とわずかな縮小を見せている。
新規の売り出し件数は戸建て住宅369件と前年同月比で1.7 %増となった。地域別では、エヴァプレイン地区が29.4 %増と大きく伸びた。コンドミニアムは647件と前年同月比で4.3%減少。ハワイカイやオアフセントラルで大きく落ち込んだ。
全体的に見れば調整局面と言える。価格の動きを見せているが、購入の動きがやや活発化している部分もある。買い手に取ってみれば、市場在庫の増加により選択肢が広がっている一方、人気エリアや価格帯では競争が継続しているモザイクの様相だ。
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