ホノルルリアルター協会が発表した統計を元に、2025年9月のオアフ島不動産マーケットの動向をレポートする。
オアフ島の不動産マーケットは、戸建て・コンドミニアム共に販売件数が大幅に増加し、価格については戸建てが上昇、コンドミニアムがわずかに下落と、活発な取引活動を示した月となった。
ホノルルリアルター協会による
2025年9月のマーケットレポートサマリー
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戸建ての中間価格は$1,155,000で、前年同月比3.8%増
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戸建ての販売数は276件(前年同月217件)で27.2%増
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戸建ての売出期間は中央値は26日間、前年同月比19日から7日増加
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コンドミニアムの中間価格は$508,750で、前年同月比1.7%減
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コンドミニアムの販売数は408件(前年同月366件)で11.5%増
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コンドミニアムの売出期間は中央値で40日間、前年同月の31日から9日増加
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
2025年9月の戸建て住宅の中間価格は1,155,000ドルで、前年同月の1,113,000ドルから3.8%の上昇を見せた。一方で、コンドミニアムは508,750ドルとなり、前年同月の517,500ドルから1.7%の下落となった。
年初来累計では、戸建ての中間価格は3.8%増の1,145,000ドルに対し、コンドミニアムは1.0%減の505,000ドルと微減で推移している。
価格帯別の販売件数
戸建て市場では多くの価格帯で販売が活発化し、特に80万~89万9,999ドルの価格帯が前年同月比81.0%増(21件から38件)と最も大幅な伸びを記録した。また、140万~159万ドルの価格帯でも倍増(17件から34件)の成長を見せた。契約待ち物件は前年同月比11.8%減の239件となったものの、全体的な取引活動は極めて活発だった。
コンドミニアムでは、低価格帯と中価格帯で特に活発な動きを見せた。15万~29万9,999ドルの価格帯が31件から57件へとほぼ倍増し、50万~59万9,999ドルの価格帯も前年同月比63.6%増となり、44件から72件へと大幅に増加した。
売出し期間
戸建て住宅の売出し期間は中央値で26日となり、前年同月の19日から7日延びて、37%の増加となった。
コンドミニアムは40日で、前年同月の31日と比べると9日延びて、29%の増加。
両物件タイプとも販売スピードは前年より鈍化傾向が続いている。
ただし、売上件数の大幅な増加を考慮すると、市場全体の活動は非常に活発であり、買い手の需要が高まっていることが伺える。
市場在庫・新規売出し物件数
市場在庫は、戸建てが前年同月比5.7%増、コンドミニアムは23.3%増という結果になった。全体で見れば、まだ買い手にとってはより多くの選択肢があるマーケットの様相と言える。しかし、活発な売買を受け、コンドミニアムの市場在庫は24年の年初から積み上がりから、2025年5月以降、持続的な下落に転じている。
新規売出しは戸建て330件で前年同月比6.0%減となった一方、四半期では4.1%減ながら、年初来では7.0%増と堅調な推移を見せている。コンドミニアムは638件で前年同月比1.1%増。四半期では0.4%減となったものの、年初来では12.0%増と大幅な増加を記録している。
価格競争の状況
希望価格を上回って成約した物件の割合は、戸建てで約25%(前年29%から減少)、コンドミニアムで8%(前年14%から減少)となり、両物件タイプとも価格競争は前年より緩和されている。これは在庫増加により買い手の選択肢が増えたことを反映している。
全体的にみれば、2025年9月は戸建て・コンドミニアム共に販売件数が大幅に増加し、市場活動が極めて活発だった月となった。価格面では戸建てが堅調な上昇を続ける一方、コンドミニアムはわずかな下落を見せているが、在庫増加により買い手市場の傾向が強まっており、バランスの取れた市場環境が形成されつつある。
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