小児心臓外科医。
東京慈恵会医科大学医学部医学科 卒業 日本赤十字社医療センター 初期研修 東京慈恵会医科大 心臓外科入局。
渡米後は、Medical University of South Carolina、Columbia University、UCSFで臨床やクリニカルインストラクターとしての実績を積む。現在、Stanford University(スタンフォード大学)より派遣され、ハワイパシフィックヘルスにて、ハワイ州唯一の小児心臓外科として診療とともに地域医療全体の教育やレベルアップに力を注ぐ。
ハワイで小児心臓外科の体制を築く
スタンフォード大学から派遣された木南先生
小児心臓外科というニッチな領域でハワイ唯一のドクター
木南先生:
私は小児心臓外科医としてハワイのカピオラニ・メディカル・センター・フォー・ウーマン&チルドレン病院(ハワイ・パシフィックヘルスグループ)を中心に診療を行っています。現在ハワイでは小児心臓外科手術を専門に行っている唯一の外科医です。小児の先天性心疾患を中心に、大人の難しい弁形成/温存手術および成人先天性心疾患の治療も担当しています。

小児の心臓疾患の多くは、生まれつき心臓に構造的な異常がある「先天性心疾患」です。発生率はおよそ1%、つまり100人に1人の割合で起こるといわれています。しかし小児心臓外科というのは非常にニッチで専門性の高い分野であり、ハワイでの医療アクセスは限られていました。患者さんである子どもたちがアメリカ本土に行って治療を受けざるを得ないケースも少なくありません。
ハワイ・パシフィック・ヘルスはスタンフォード大学と提携しており、スタンフォードの心臓外科医が定期的にハワイに出張して、手術や診療を行ってきました。私もその中で、スタンフォードからハワイに派遣される形で赴任しました。
医療連携のスピードが重要
アメリカでは患者さんが心臓外科医のもとに来るまでに三つの段階があります。
まず最初にファミリードクターなどのプライマリーケア医にかかります。そこで病気の疑いがあると循環器内科に紹介されます。そして外科手術が必要と判断されて、初めて三段階目として私のような心臓外科医に紹介されます。
このプロセスはアメリカの医療システムの基本ですが、ハワイでは他州に比べて紹介のタイミングが遅いと感じることもあります。心臓は他の臓器に比べても一度機能が低下すると元に戻りにくい臓器です。できるだけ早い段階で外科医につながることが大切です。
心機能が良い状態で手術を行えれば、術後の回復や予後、そしてその後の生活の質も大きく改善します。そのため、プライマリーケア医や循環器内科医との連携強化や教育・啓発も重要だと考えています。
ハワイで完結する医療体制へ
私がハワイで取り組んでいるのは、単に手術を行うことだけではありません。ハワイという地域全体として小児心臓外科の臨床経験を積み上げていくことです。

症例数が増えれば、外科医だけでなく、麻酔科医、集中治療チーム、看護師など、医療チーム全体の経験値が上がります。現在もスタンフォード大学のサポートを受けていますが、将来的にはハワイの中で完結できる医療体制を築きたいと考えていて、そのためのチーム作りが目下の課題です。
ハワイのみならず太平洋地域の医療拠点を目指して
私の3年後の目標はここハワイで、年間で小児の手術を約100例、大人の弁形成/温存および成人先天性心疾患の手術を約50例行える体制を作ることです。
ハワイ州外で治療を受けている患者さんができるだけハワイで治療できるようにするのはもちろんのこと、将来的には、グアム、サイパン、ミクロネシア、マーシャル諸島、アメリカ領サモアなど、太平洋地域の患者さんがハワイで治療を受けられる体制を整えたいと考えています。
そのためには、各地の主要病院との連携、AIやVRなどリモートでの診断システム、教育システム開発などやることは山積みです。
日本企業との積極的なコラボレーションを推進。
いつかは日本への恩返しがしたいです。
ハワイは地理的にも文化的にもアメリカと日本の中間にあり、キャリアやプロジェクトを進める上でも日本の方々や企業さんとのコラボレーションが非常にしやすいです。
具体的にはCardio Flow Designさんとは患者さんの血流解析の共同研究を、Cross MedicalさんとHoloeyesさんとは技術を使わせて頂いて日本の若手小児心臓外科医やハワイの病院/地域への教育プロジェクトを検討しています。その他の大きなプロジェクトとして琉球大学教授の楠瀬先生及び株式会社SouthwoodさんとAI心エコー診断、遠隔診断システムを用いた国際貢献など、さまざまな先進技術を組み合わせて、全力で先天性心疾患を持つ子どもたちへの心臓手術をハワイで行う計画を進めています。

また 将来的には母国日本への社会貢献を考えていて、今からインバウンドの医療ツーリズムを始められている企業さん、病院、政府関係者の方々などと繋がれたらと考えています。現状ではCT/MRIなど施設や機器を使った医療ツーリズムが主流なので、今後は日本にあるハイクオリティな技術をアジア圏などにアピールして患者さんを誘致するような余地は多分にあると考えています。そういったコネクションの確立、実際の手術の施行、システムの発展など自分が貢献できるところがあるのではないかと考えています。
住所:1319 Punahou St Suite950 Honolulu HI 96826
電話:808-983-8349


