米国の新たな入国審査案、ESTA申請でSNS開示義務化検討 ハワイ観光経済にも影響の恐れ

米国の新たな入国審査案、ESTA申請でSNS開示義務化検討 ハワイ観光経済にも影響の恐れ

更新日 2025.12.22

米国税関・国境警備局(CBP)は12月10日、入国審査を強化する新たなルール案を公表した。日本を含むビザ免除プログラム(VWP)対象42カ国からの旅行者に対し、電子渡航認証(ESTA)申請時に過去5年間に使用したソーシャルメディア(SNS)アカウントの提出を求める内容で、実施されれば国際観光の回復が遅れるハワイ経済への影響も懸念されている。

新ルール案では、SNS情報に加え、過去10年間に使用したメールアドレスや家族構成などの詳細情報の申告も求められる。適用開始は2026年2月8日以降のESTA申請者を想定しており、現在は60日間のパブリックコメントが行われている。

ESTAは、VWP対象国の国籍者が観光や短期出張など90日以内の滞在目的で米国を訪れる際に必要な制度で、承認がなければ航空会社は搭乗を認めない。審査項目の拡大により、申請手続きの煩雑化やプライバシーへの懸念から、渡航を控える動きが出る可能性がある。

ハワイ州では国際観光の回復が鈍く、2025年1月から10月までの来訪者の約77%は米国内からだった。国際客は全体の2割強にとどまり、日本からの来訪者数も約60万人と、コロナ禍前の水準を大きく下回っている。国際客は1人当たりの消費額が高いことから、訪問者数の伸び悩みは観光収入に直結する。

ハワイの観光・ホテル業界関係者は、新たな審査強化が「米国は入国に厳しい」という印象を与え、海外からの旅行需要をさらに冷え込ませる恐れがあると指摘する。全米旅行協会(U.S. Travel Association)も、制度の詳細や情報の利用方法が不透明なまま導入されれば、米国への渡航に萎縮効果をもたらす可能性があると懸念を示している。

今回の新ルール案は、トランプ政権下で進められている入国審査厳格化の一環とされ、米国政府は国家安全保障上の必要性を強調している。一方で、2026年のFIFAワールドカップなど大規模な国際イベントを控える中、観光業界では国際客誘致に逆行するとの見方も出ている。


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