ハワイ州のジョシュ・グリーン知事は9日、大腸がん検診後の精密検査にかかる経済的負担を軽減する法案(HB1969)に署名し、同法が成立した。2027年1月1日から施行される。
新法では、便潜血検査などのスクリーニング検査で陽性となった場合に必要な大腸内視鏡検査について、健康保険会社に対し、免責金額や自己負担金などの患者負担なしで補償することを義務付ける。
これまで、一次検査は保険でカバーされても、その後の精密検査には自己負担が発生するケースがあり、受診を見送る要因の一つと指摘されていた。州は今回の制度改正により、早期診断と治療につながる受診率の向上を期待している。
また、新法では無保険者や十分な保険に加入していない州民を対象に、大腸がん検診や治療費を支援する財政支援制度も創設される。州福祉局(Department of Human Services)が制度を運営する予定だ。
法案を提出したコリー・チャン州下院議員は、今年、自身のおじをステージ4の大腸がんで亡くした経験を踏まえ、「費用や受診への心理的なハードルが原因で検査を受けない人を減らしたい」と法案の意義を説明した。
署名式でグリーン知事は、「大腸内視鏡検査について話すことは敬遠されがちだが、命を守るためには検診を受けることが重要だ」と述べ、定期的な検診の必要性を訴えた。
州保健当局によると、ハワイ州では毎年800人以上が大腸がんと診断され、250人以上がこの病気で亡くなっている。近年は50歳未満で発症するケースも増加傾向にあり、医療関係者は定期的な検診による早期発見が死亡率の低下につながると指摘している。
このほかグリーン知事は同日、医療に関する2件の法案にも署名した。このうちHB1864では、がん治療など医学的に必要な治療によって将来的に不妊となる可能性がある患者を対象に、卵子や精子などを保存する妊よう性温存治療を健康保険の補償対象とすることが義務付けられる。対象は2026年12月31日以降に新規契約または更新される保険契約となる。
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