ハワイ州は、FacebookやInstagramを運営するMeta Platforms(メタ)社をめぐる全米規模の訴訟で、最大7600万ドルを受け取ることになった。
ハワイ州を含む複数の州などとMetaが合意した和解の総額は171億ドル。ハワイ州司法長官事務所によると、1990年代のたばこ業界との和解に次ぐ、州による消費者保護関連の大型和解となる。
今回の訴訟では、MetaがFacebookやInstagramに利用者を長時間引きつける機能を組み込み、子どもや若者へのメンタルヘルス上の悪影響を認識しながら、十分な対策を取らなかったなどと州側が主張していた。
ハワイ州は、ワシントンD.C.、プエルトリコ、米領サモア、北マリアナ諸島などとともに訴訟に参加している。
今回の和解により、MetaはInstagramとFacebookで子ども向けの安全対策を大幅に強化することになる。
子どものアカウントでは、FacebookとInstagramを合わせた1日の利用時間を2時間に制限するほか、一定時間利用した際に休憩を促す「Productive Pauses」を導入。午前0時から午前6時までの夜間利用も制限する。
また、学校年度中の平日は午前8時から午後3時までプッシュ通知を停止するほか、年齢確認の強化、年齢に応じたコンテンツ管理、保護者による設定機能の改善なども求められる。
さらに、子どもや10代の若者のメンタルヘルスへの影響が指摘されている、他人との比較を促す機能や美容フィルター、「いいね」の表示などについても制限が設けられる。
これらの安全対策については、独立した監査機関と各州が定期的に実施状況や効果を確認する。
ハワイ州のアン・ロペス司法長官は、SNSへの過度なアクセスが若者のメンタルヘルスに及ぼす影響を指摘し、今回の和解について「ハワイの若者にも現実的な効果をもたらす」と述べた。
一方、今回の和解金の具体的な使い道はまだ決まっていない。ハワイ州が受け取る最大7600万ドルは州司法長官事務所の訴訟関連基金に入る予定で、今後、州の一般基金に移される可能性もある。
州内では、この資金を子どもや若者のメンタルヘルス支援や、SNS・AIに関する教育、子どもの保護に関する法律の執行などに活用してほしいとの声も出ている。
今回の和解には、2016年の米大統領選を前に、Facebook利用者の非公開情報が第三者に共有されたCambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)問題も含まれている。この問題について、ハワイ州は別途468万5127ドルを受け取る予定だ。
ハワイ州を含む各州は2021年から、SNS各社が子どもや10代の若者を対象にサービスを提供する中で、依存性やメンタルヘルスへの影響について十分な対策を取っているか調査を進めてきた。
ロペス司法長官は今回の和解をMetaだけの問題にとどめず、Snapchat、TikTok、YouTubeなど他の大手SNSにも同様の安全対策を求めていく考えを示している。
今回の和解によって、子どもたちのSNS利用をめぐる企業側の責任が改めて問われるとともに、ハワイ州でも若者のデジタル環境やメンタルヘルスをどう守るかが、今後さらに注目されそうだ。
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