創業1961年、長年の実績で地元で信頼されている大手害虫駆除会社、XTERMCO（エクスタムコ）。その地元に根付いたローカル企業を経営するのは、小川勝さん。ハワイローカルビジネスについて伺った。

ハワイとの関わりはいつからですか?

父親が経営していた害虫駆除会社がハワイの会社を買収したのが最初ですが、私自身がハワイビジネスに関わるようになったのは、2018年にXTERMCO社取締役に就任してからです。実は害虫駆除の世界では最先端は米国。もちろんハワイが好きということもありましが、父親がハワイの会社を買収したのも、米国の先端情報を入手したいという意図があったのだと思います。

 

経営されているハワイの会社はどんな会社ですか?

1961年創業の老舗の害虫駆除会社で、ハワイでは大手3社のうちの一つです。従業員は約35名。主に住宅 やオフィスの害虫駆除を請け負っています。おかげさまで業績は好調で、コロナ禍もエッセンシャルワークと認定されて業務を継続できました。受注は増えており、最近は人手不足で悩むくらいです。ハワイ出雲大社やビショップミュージアム、本願寺別院など大型建築物の害虫駆除でも実績があります。また、当社開発のネズミ取り(ブック式粘着シート)はハワイのドン・キホーテ全店で販売しており、ロングセラー商品として大変好評をいただいております。

ハワイと日本の商習慣の違いは感じますか?

幸運なことに当社は真面目な社員ばかりで、時間にも厳しく、朝もとても早く出社しています。仕事にも真面目で、手前味噌ですが、私は従業員には恵まれています。42年働いた現地の社長が今年70代でリタイヤし、50代の社長に世代交代したばかり。現場のやる気を感じています。ハワイにある会社を経営していても私自身は東京に在住しており、ハワイに行くのは年に4、5回くらい。現場を統率できる優秀なリーダーを育てることが重要になってきます。
 

経営する上で気をつけていることはありますか？

売上・利益だけを見るのではなく、 現場をしっかり見て、一人一人の社員を見守るよう心がけています。財務 諸表(PL・BS)は過去のことですから、今日とこれからがより重要。これまで経営危機は幾度もありましたが、これは父親の教えでもあるのですが、とにかく前を向いて「KEEP MOVING FORWARD」を信条に乗り超えてきました。そして、キャッシュフローマネジメント、コミュニケーション、情報共有の3つを大切にしています。何より社員との細かなコミュニケーョンが重要。貢献度の高い社員を毎年数人ずつ日本に招待したり、日本のようなボーナス制度も取り入れているのもその一環です。
 

今後の経営方針は?

ここ最近の傾向として、環境に配慮した薬剤を使うなどの取り組みが増えました。ペストコントロールからペストマネージメントへの転換も進んでおり、新たなビジネス潮流をうまく取り入れながら老舗ならではの強みも維持していきたいと考えています。また、これまで英語のウェブサイトしかなく、ローカルマーケットしか見ていなかったので、今後はハワイの日系マーケットの開拓に取り組もうと、日本語人材の採用を検討しています。
 

M&Aのサポート事業も始められましたね

ハワイのパートナーと一緒に「ハワイビジネス情報館」というウェブサイトを立ち上げました。目的は優良なM&A案件の紹介・仲介と、各種サポートの提供です。せっかくハワイにビジネス進出しても失敗して帰ってしまうという人が少なくなってほしい。ハワイを嫌いにならないでほしいという思いがあります。そのためには、私自身がハワイで経営するビジネスを成長させないといけません。良い手本としてね(笑)。今後も、日本とハワイ、2つのビジネスに邁進していきます。

 

【小川さんが経営する害虫駆除会社】

XTERMCO.INC
94-435 Akoki St, Waipahu, HI 96797
 www.xtermco.com
https://xtermcojapan.com（日本語サイト）

【ハワイのM&A情報を提供するウェブサイト】

ハワイビジネス情報館
hawaii-business.net