ハワイのコールドウェルバンカー社に所属する不動産エージェントのカオリ白川さん。20年以上に渡り、大成建設での都市開発、また家業での戸建て不動産開発・販売に携わられたのち、ハワイに移住され不動産エージェントになられたというキャリアの持ち主です。実はハワイ不動産ではだまされて痛い目にあったご経験もおありなのだとか。
今日はご自身も不動産投資家である白川さんに、日米の不動産業界の違いや、仕事に対するモットーなどをインタビューいたしました。
経営者の家系、「やりたいことはやりなさい」と育てられ
白川さん:
私は神奈川県の逗子市で生まれ、その後、両親の仕事の関係で香川県や愛媛県、そして埼玉県といろいろな場所で育ち、日本にいくつも故郷と呼べる場所があります。
祖父や両親ともに事業を経営する家庭で、幼い頃は祖父たちと共に四国に住んでいました。四国は伝統的に製紙業が強く、日本を代表する大企業を数多く輩出していますが、これらの経営者の方が祖父をしばしば訪ねてくるのを、間近で見て育ちました。
当時としては珍しく、母も経営者でしたので、一般的な家族団らんの時間は少なかったですが、逆に「あなたも自分のやりたいことはやりなさい」と幼いころから言われ、独立心を養われたと思います。
そんな中で、幼稚園から大学の体育会まで打ち込んだのは、水泳と水球です。ジュニアオリンピックや世界選手権に出場するレベルにまで、当時はスパルタ式の厳しいトレーニングで追い込まれました。今思うとよく耐えたなと思いますね。ただ、体育会仕込みの根性は、その後の仕事でも、4時の電車で誰よりも早く出社して始動する、といったのちの人生にも活きたと思います。
不動産の道へ。都市開発から戸建ての建設販売まで
「もしかしたら、不動産販売に適性があるのかも?」と思ったのは、大学時代にリゾートホテル販売のバイトをやったのがきっかけです。バブル後の厳しい時代でしたが、早々に売れて結果を出し、これは面白いと。そこから不動産一筋です。
新卒では、大手ゼネコンに入社しました。まだゼネコンに女性が入社するのが非常に珍しかった時代で、営業が数千人いるなかで女性営業は三人だけ。
その中で、新卒でトップセールスになり社長賞を受賞しました。女性の活躍に風当たりも強くやっかみもありましたが、逆に「負けるもんか」とそれも自分のパワーに変えて頑張れた、いい時代でしたね。
その後、埼玉の所沢市を拠点に、戸建て不動産の開発・販売業を営んでいた母の会社に入社し、経営に携わりました。所沢エリアはホンダの狭山工場を始め日本有数の工業地帯であり、東京に通う人も多く住むベッドタウンです。このエリア特有のニーズを汲んだ注文住宅の建設・販売を中心に地元密着型で事業を伸ばしました。
日本の独立系の不動産業を営むには、不動産や建築のことは当然ですが、土木、地権、さらに税などの法律や行政ルールなどを、広範な知識が必要です。例えば、大きな家を所有していた方が亡くなったが、相続人が相続税を払えないから、土地を三分割して一部を売却し、三軒の小さい家に建て替えるといった場合、新しい道路を作る、新しい配管の敷設する、区画を変更する、など多くの役所や関係部門と連携しながら、知識を総動員して仕事をしていました。
ゼネコンでも、独立系の不動産開発でも結果を出せたのは、一貫して「目の前のお客様の利益になるように」という点に集中してきたからだと思います。その方の家族構成、人生のフェイズや、利用用途、好みのスタイルなどお客さまのニーズは一人一人異なります。
不動産購入のご相談が、そのうち人生のお悩み相談、お悩み解決へとなることもしばしばでした。どんなときも、お客様にとってのベストを考えて提案する姿勢が、お客様の支持と会社を成長につながったのだと思います。
ハワイへの移住は、日本で発症した難病がきっかけです。その病気の先進医療がハワイで受けられることがわかり、EB-5ビザを申請し、移住して来ました。幸い、病気は完治し、そのままハワイで不動産エージェントとして再出発することができました。
「だまされた私だから分かる ハワイ不動産」
日本で20年以上の経験を持っていた私ですが、実は母がハワイで購入したリースホールドの不動産で痛い目にあったことがあります。
ハワイ不動産を始めるずっと前に購入した物件ですがいわゆる「リースホールド」の物件を、日本語で曖昧な翻訳で説明され、知らずに購入してしまったのがきっかけです。日米で法律も大きく違うので、ハワイの「リースホールド」を「借地権」と訳すか「定期借地権」と訳すかで雲泥の差となります。
サンドイッチリース(リースホルダーがさらにリースに出すこと)が二重についていたりと、悪意のある売り手の仕業だったのですが、当時はそれに気づかず・・・裁判沙汰になり、大変な思いをしました。
不動産業の仕組みで言えば、日本の不動産業のほうが契約書作成時の法的ルールや説明責任も厳しいと思います。ハワイの弁護士に不動産売買の際にサインするのは「Agreement」つまり合意書にすぎないと説明されて驚きました。
日本で培った不動産の経験と知識を生かして、日本のお客様にはハワイ不動産を購入いただく際にも、日本の「不動産重要事項説明書」相当の説明を必ず行なっています。
ハワイも古い建物が多く、権利関係が曖昧になっていたり使役権で揉めそうな物件もあります。そういう場合、役所に足を運んで自らそれらを追求するなど、徹底してやります。私は自分がだまされた経験があるからこそ、お客様にはそんな目にあってほしくないのです。
リフォームまで行える体制で投資家をサポート
私自身が日本とハワイ両方で不動産投資を行なっています。
投資家として見ると、やはり注目すべきはワイキキです。
ビリオネアクラスのアメリカ人の投資家の方などとお会いするうちに、ワイキキとニューヨークのマンハッタンは、同じような値動きをしていることがわかって来ました。
土地が限られているのに、世界中から人が訪れ、住みたい人が絶えない、という点でやはりどちらも強いです。
妹がハワイでリフォーム業を行なっていますので、投資利回りの観点も重視しながら、必要なリフォームを実施することができるため、お客様には喜ばれています。古いコンドミニアムも多いので、適切な改装を施し物件を改装し、利回りを取れる物件が見つかります。管理についてもご相談ください。
投資家と一言で言っても、ご自身も使いながら投資したい方、数字ベースでのみ判断する方、会社の保養所として買いたい方など、さまざまなニーズがあります。わたしの経験を踏まえて、その方の投資スタイルにマッチしたシナリオでお手伝いできればと思います。
また日本の上場企業のアメリカ進出のプロジェクトなども過去のネットワークからご相談がありお手伝いしています。
ぜひ一度ご相談ください。