ホノルルリアルター協会が発表した統計を元に、2025年6月のオアフ島不動産マーケットの動向をレポートする。 2025年6月は、戸建て住宅の売買件数が昨年同月比で12%増加、コンドミニアムもわずかに0.8%の増加を見せた。一方で、2024年上半期との累計比較では、いずれもやや減少傾向にある。新規売出し件数や在庫数の増加、価格調整の動きなど、売主側の動きが活発化した1ヶ月だった。
ホノルルリアルター協会による
2025年6月のマーケットレポートサマリー
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戸建ての中間価格は$1,125,000で、前年同月比0.4%増
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戸建ての販売数は263件(前年同月は約235件)で12%増
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売出期間は中央値で24日間(前月比+3日)
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コンドミニアムの中間価格は$510,000で、前年同月比3.8%減
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コンドミニアムの販売数は約377件(前年同月比0.8%増)
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コンドミニアムの売出期間は中央値で40日間(同月比ー1日)
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
6月の戸建ての中間価格は前年同月の$1,120,000ドルから$1,125,000へと0.4%の小幅な上昇を見せた。コンドミニアムの中間価格は、前年同月で3.8%減少し$530,000から$510,000に下落した。
価格帯別の販売件数
次に、価格帯別の販売件数を見ていく。
戸建てでは$800,000〜$900,000未満、$900,000〜$1,000,000未満の価格帯の売買件数がそれぞれ、昨年同月比で22.2%、18.8%の伸びを示した。
また$1,500,000〜$1,900,000のレンジでも昨年同月比64%増と大きく伸び、中間価格の上下の層でも幅広い売買が行われた。
一方、コンドミニアムにおいては戸建ての中間価格に近い高額コンドミニアムの取引が多かった2024年前半に比べて、10万〜69万9,999ドルの下位〜中位価格帯での取引が中心で、259件と前年同月の233件から11.2%増加した。
売出し期間
売り出し期間の中央値は戸建てで24日コンドミニアムで40日となった。
2024年6月は、それぞれ15日、26日だったことを考えると、特にコンドミニアムは売買成立にかかる期間の伸びが目立つ。
市場在庫・新規売出し物件数
市場在庫は、戸建てが前月比で5.3%増加した一方、コンドミニアムは0.5%の微減となった。 前年比では、戸建てが31.9%増、コンドミニアムが47.0%増と、両方の市場で在庫の増加が目立つ。6月末時点で戸建ての在庫は861件、コンドミニアムは2,542件に達した。すべての価格帯・地域でコンドミニアムの在庫が増加し、物件が市場に留まる期間も長くなる中で、最初のリスティングプライスからの値下げを行った物件の割合も増加。
戸建ての新規売出し件数は前年同月比で19.2%増の398件、コンドミニアムは7.9%増の671件となった。
また特筆すべき事項として6月末時点でのアクティブ物件の約42%が、初回掲載以降に価格を引き下げていることが挙げられる。これは前年同月(2024年6月)の同数値の34%から増加し、売り手側の姿勢の軟化、買い手市場への動いていることを示している。
その一方で、売り出しから30日以内に売れる物件があったエリアとしてハワイカイ、カイルア、カネオヘ、ワイパフなど、住みたいエリア、人気のエリアでは早い売買が成立している。 全体でみれば、買い手市場と言えるが、価格調整を入れる物件数が増加するなど売り手側も積極的に動いている。
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