2025年10月31日（金）、ハワイ・ホノルルのプリンスワイキキにて、長野県による「観光セミナー・商談会」が開催された。本イベントは、アメリカから長野県への旅行需要が高まる中、信州の魅力を現地の旅行会社や関係者に直接伝える目的で実施されたもの。当日は県内観光事業者16社が参加し、現地旅行会社との商談に加え、信州そばや信州プレミアム牛肉などの食材を提供するネットワーキング交流会も行われ、会場は終始和やかな雰囲気で、旅行の可能性を広げる活発な意見交換が交わされた。
 

長野県がホノルルで観光PRイベント　
県内事業者とハワイの企業が交流

今回の長野県主催による「観光セミナー・商談会」は、米国ロサンゼルスに続き2都市目であり、ハワイでは初開催。県内の鉄道会社やホテルなど、観光事業者16社が参加し、「信州の観光と食」を一体的に発信するPRイベントだ。

会場はプリンスワイキキのMakiki Room。海に近く落ち着いた雰囲気の会場では、開会直後から熱心な意見交換が続いた。

ハワイ現地の観光会社およそ30名が参加
長野県の観光資源、食の魅力に触れる良い機会に

プログラムは、観光プレゼンテーション、商談会、ネットワーキング交流会の内容で構成され、ハワイから参加となる現地旅行会社およそ30名に向けて長野県の自然や観光資源、食を切り口に様々な魅力が紹介された。

観光プレゼンテーション、商談会では、県内観光事業者がハワイの旅行会社に直接、自社のサービスや長野県ならではの観光資源、食の魅力などをPR。ハワイの旅行会社にとっては、日本の観光事業者と直接対話できるまたとない機会となり、どのテーブルでも積極的なディスカッションが行われた。「長野県の地域ごとの魅力や豊かな食文化について理解が深まった。今後、アメリカのツーリストに向けたツアーやパッケージプランの作成に活かしたい（空港会社の参加者様より）」といった声なども聞かれ、長野の観光資源を身近に感じる良い機会となったようだ。

続くネットワーキング交流会では、信州そば、信州プレミアム牛肉、おにぎりなどが提供され、長野県産食材の魅力を味わいながら参加者同士が交流を深めた。特に、長野県産コシヒカリを使ったおにぎりは「美味しい！」「もう1ついただけますか？」と大好評。こちらの長野県産米は昨年ハワイのドン・キホーテ カヘカ店で販売フェアが行われた実績もあり、今後ハワイで販路拡大を予定しているとのこと。サクッとした食感と肉の脂、旨みのバランスが絶妙な信州プレミアム牛肉にも絶賛の声が多数寄せられていた。

関長野県副知事に今回の「観光セミナー・商談会」について話を伺った。

「アメリカから長野を訪れる旅行者は年々増えています。特に長期滞在で日本各地をじっくり楽しむ方が多くなり、東京・大阪、富士山や京都といった“ゴールデンルート”に加え、より地域に根ざした体験を求める声が高まっています。そうした方々に長野の魅力を知っていただくため、ロサンゼルスやハワイでPRイベントを行っています。

中でも注目を集めているのが、冬の名物『スノーモンキー（地獄谷野猿公苑）』です。雪景色の中で温泉に浸かる姿はアメリカでも人気が高く、多くの方が訪れています。また、古くからの宿場町が残る中山道・木曽エリアを歩く“サムライロード”は、文化や歴史を体験できると評価をいただいています。

長野には、善光寺や松本城、北アルプス・南アルプスが生み出す自然景観、上高地や軽井沢など四季を楽しめるスポットが豊富にあります。グルメの面でも、信州プレミアム牛肉やそば、お米など、旅の目的になる味覚がそろっています。昨年はハワイの量販店でも県産米フェアを実施するなど、継続的な取り組みも進めています。

ハワイには私自身も親しみがありますが、長野にはまた違った豊かさと驚きがあるはずです。四季折々の風景、歴史、文化、食を通して、“ハワイにはない体験”を楽しんでいただければと思います。」

会場全体は終始和やかな雰囲気に包まれ、主催者にも参加者にも有意義なコミュニケーションの場となったことがうかがえたイベントであった。