
空港や基地で働く人の 利用が増えると市は期待
西オアフと言われるのは、オアフ島の西側に位置するエバからカポレイのあたり。ワイキキから車で約1時間の距離にある。ゴルフ場が多く、近くにはアウラニ・ディズニー・リゾート&スパがあるコオリナもあり、リゾート地のイメージが強いが、居住者の多くがアラモアナ、 ダウンタウンで働いているため、毎朝の渋滞が悩みの種だった。そこで登場したのが、オアフ島を西から東まで貫くホノルル高架鉄道「スカイライン」だ。渋滞解消を目指し、ホノルル市の肝入りで 2005年にスタートした。
第1区間となる、新興住宅地のイーストカポレイ駅からアロハスタジアム駅まで9駅(約 17 ・7㎞)が開通したのが2023年6月。平日は朝5時から10分おきに運行、ザ・バスとも共用できる非接触型 I C のホロカードで乗車可能 と、それまでのハワイでは画期的な新交通となった。
全米初の完全自動運転鉄道で、無人運行。車両の開発は日本の日立が請け負った。最新テクノロジーが詰まった高速鉄道だったが、実際のところ第1区間の利用客数は伸びず、観光目的で利用する人が散見される程度だった。
第2区間の開通に合わせて、運航時間は毎日午前4時から午後10時30分までに拡大。今回の延伸で、空港や基地関係者の利用増加が期待されている。 市によれば、2031年に予定されている第3区間の完成で全線(約30㎞)が開通すれば、1日あたり推定4万台の自家用車が鉄道に移行すると見込まれている。


今回、ワイキキに滞在することの多い観光客向けに、ザ・バスに比べて停留所の数を少なくし短時間で空港とワイキキを結ぶ「Wライン」という路線バスも開業した。空港駅と、お隣のラグーンドライブ駅から乗車できる。
周囲に野原しかない駅もあり、駅周辺の開発や駐車場問題などまだ課題は多いが、ホノルルの話題の中心「スカイライン」に乗ってその現場を見てみるのも一興。せっかくだから、西オアフまで行ってみよう。
4つの新駅を紹介します
今回の開通で、ダニエル・K・イノウエ国際空港を含む4つの駅が新たにオープンした。 近隣にある主要施設も合わせて全駅を紹介するとともに、新駅に関しては駅舎の特徴をまとめた。 パーキングのある駅は今のところ4つだけだが、ザ・バスには各駅から乗り継ぎが可能だ。1、East Kapolei
【主要施設】 カ・マカナ・アリイ(ショッピングモール)2、East Kapolei
【主要施設】 ハワイ大学/東海大学/パーキングあり3、Hoopili
【主要施設】 新開発住宅地ホオピリ/パーキングあり4、West Loch
【主 要 施 設 】 アイトランポリンハワイ(アクティビティ)5、Waipahu Transit Center
【主要施設】 タニオカズ・シーフード&ケータリング6、Leeward Community College
【主要施設】 リーワード短期大学7、Pearl Highlands
【主要施設】 ネイビーマリン・ゴルフコース8、Pearlridge
【主要施設】 パールリッジ・ショッピングセンター9、Aloha Stadium
【主要施設】 アロハスタジアム/パーキングありNEW!▶︎10、Joint Base Pearl Harbor-Hickam
【主要施設】 パールハーバー海軍基地/ヒッカム空軍基地米軍のパールハーバー・ヒッカム統合基地の最寄り。アリゾナ記念館をはじめ、戦時関連の記念館は隣のアロハスタジアム駅寄りにある。住宅地として知られるソルトレイクもあり、住民の利用が期待される。

NEW!▶︎11、Daniel K. Inoue International Airport
【主要施設】 ワイキキ行き「Wライン」乗車場待望の国際空港直結の駅。国際線到着出口のある地上階から徒歩でアクセス可能で、駅2階のコンコースからは歩道橋で国際線とターミナル2のパーキングに直結する。スーツケースを持ったまま乗車できる。

NEW!▶︎12、Lagoon Drive
【主要施設】 ワイキキ行き「Wライン」乗車場 空港の東向きの次の駅がラグーンドライブ。空港駅からは駐機場の周囲を弧を描くように鉄道が進むので、航空機がよく見えて絶好の撮影スポットになりそうだ。周辺にはヘリや遊覧飛行機の駐機場が多くある。
NEW!▶︎13、Middle Street Transit Center
【主要施設】 マルカイ・ホールセールマート/パーキングあり駐車場と車寄せを備え、ザ・バスと鉄道の乗り換えがスムーズな交通ハブとして機能する。近くには日系スーパーがあるので、空港到着後にここで買い物をしてからワイキキに向かう観光客も増えそうだ。

乗り方をあらためて解説
日本のSuicaにあたる「ホロカード」をまずは購入(カード代金$2)。ABCストアやスーパー マーケット、各駅で販売され、店頭やオンライン、各駅で入金が可能。乗車料金はザ・バス と同じで大人$3、子ども(6〜17歳)$1.50、5歳以下は1人まで無料、65歳以上$1.25。1日乗り放題のワンデーパスは大人$7.50、子ども$3.75、65歳以上$3。ホロカードはザ・バス も共通で使え、乗車してから2.5時間以内ならバスへの乗り換えは無料。


