ユニクロ創業者がマウイ・ランド・アンド・パイナップル社を提訴 〜カパルア・ゴルフ場の水供給問題で訴訟〜

ユニクロ創業者がマウイ・ランド・アンド・パイナップル社を提訴 〜カパルア・ゴルフ場の水供給問題で訴訟〜

更新日 2025.08.21

ユニクロ創業者であり、ファーストリテイリング会長の柳井正氏が所有するゴルフ場が深刻な水不足に直面しているとして、米ハワイ州マウイ島の不動産開発会社マウイ・ランド・アンド・パイナップル社(Maui Land & Pineapple、以下MLP)を提訴した。訴訟は8月19日、マウイ郡第2巡回裁判所に提起された。

原告は柳井氏の資産管理会社TY Managementで、マウイ島西部のカパルア・リゾート内にある「ザ・プランテーション・コース」および「ザ・ベイ・コース」の2つのゴルフ場を所有している。訴状によると、MLPは地域の水供給を担うホノコハウ水路の管理・運営者であり、周辺の住民や農業事業者、企業に対し水を安定供給する契約上の責任があるとされている。しかし同社は近年、インフラの維持管理を怠っており、水路の劣化によって水の供給が途絶え、ゴルフ場の芝が枯れるなど深刻な影響が出ているという。

カパルア・リゾート「ザ・プランテーション・コース」
https://golfatkapalua.com/plantation-course/

このまま状況が改善されなければ、2つのゴルフ場は2週間以内に閉鎖を余儀なくされる可能性があるとTY Management側は主張している。とりわけ「ザ・プランテーション・コース」は、毎年1月に米PGAツアーの開幕戦「ザ・セントリー(The Sentry)」が開催される由緒あるコースであり、来年の大会は2026年1月8日から11日に予定されている。TY Managementは、コースの状態次第では開催そのものが危ぶまれる可能性もあるとし、約4,800万ドル(約70億円)にのぼる経済効果が失われるリスクを指摘している。

MLP側はこの訴訟に対し、「西マウイは現在、歴史的な干ばつに見舞われており、ハワイ州水資源管理委員会(CWRM)の指針に基づき、まずは河川の流量維持や伝統的・慣習的利用、ラハイナ地区の飲料水供給を優先している」と反論。TY Managementが要望した井戸水の供給についても、今年4月にCWRMが正式に却下しており、「行政からの支援が得られなかったために訴訟へと発展した」としている。

一方、TY Managementは水路の修繕費用を一部負担する提案も行っていたが、MLP側がこれを受け入れなかったと主張。また、ゴルフ場の状態悪化によりプレーヤーへの割引対応を余儀なくされており、損害額が拡大しているとしている。

TY Managementの委託を受け、ゴルフ場の運営を担っているトゥルーン・ゴルフ社の中島アレックス・ゼネラルマネージャーは、「ここ9年間で、100%の灌漑停止は前例がない」とコメント。PGAツアー側とは常に状況を共有しているものの、コースが使用不能になった場合の対応については、現時点では具体的な協議は行われていないという。

訴訟の代理人はホノルルの法律事務所Lung Rose Voss & Wagnildのグラント・アリソン弁護士が務めており、今後の裁判の行方が注目される。

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