【ハワイの弁護士に聞きました】交通事故にあったら、弁護士に相談すべき? ハワイ州の訴訟弁護士が具体例を検証します

【ハワイの弁護士に聞きました】交通事故にあったら、弁護士に相談すべき? ハワイ州の訴訟弁護士が具体例を検証します

更新日 2025.09.16

ハワイの弁護士、アンドリュー・大助・スチュワートに聞きました。
交通事故やったら弁護士に相談すべきですか?

アンドリュー大助スチュワート 

アンドリュー・大助・スチュワート(昭和法律事務所・ハワイ州弁護士) 横浜出身。高校卒業まで日本で過ごす。ペンシルバニア大学を優等で卒業。米議員事務所で研修後、ハワイ大学ロースクールへ進学。ホノルルの法律事務所で訴訟弁護士として経験を積み、2011年に独立。英日バイリンガルで、ビジネス法・民事訴訟を専門に、契約・M&A・雇用などもサポート。


アンドリュー先生:

近年、ハワイ州では交通事故が増加傾向にあります。特に高齢者や歩行者が巻き込まれる事故のニュースを目にする機会が増えました。「自分や家族がいつ当事者になるかわからない」と不安に感じる方も少なくないのではないでしょうか。今回は、ハワイで訴訟を専門とする弁護士の立場から、交通事故にあった際に知っておくべき「保険」と「交渉」のポイントをお伝えします。

保険に入っても安心とは限らない

アメリカ、特にハワイ州では、自動車保険の加入が法律で義務づけられていますが、それだけで安心とは言えません。ハワイでは「No-Fault(無過失)保険制度」が採用されており、車同士の事故では責任がどちらにあるかに関わらず、まずは自分の自動車保険のPIP(人身損害補償)から上限1万ドルまでの医療費が支払われます。被害者が負担した医療費が1万ドルを超える場合、そして精神的苦痛に対する損害賠償請求を行う場合には、加害者(過失運転者)の自動車保険契約に含まれる「Bodily Injury, BI(人身傷害補償)」の条項に基づき、当該金額の賠償を求める権利があります。



しかし、保険会社はできる限り支払いを抑えようと、あらゆる理由をつけて交渉してきます。英語が不慣れな方やアメリカの保険制度に詳しくない方にとっては、専門用語や複雑な手続きが大きな壁となり、本来受け取れるはずの補償金をあきらめてしまうことが多いのです。

 

自力交渉で3000ドル→弁護士介入で1万6000ドルに

実際にこのようなケースがありました。ある日本人が事故後に保険会社と直接やりとりした結果、補償の提示額はわずか3000ドルでした。しかし当事務所にご相談いただき、医療費、物損、休業補償、慰謝料などを正しく主張した結果、最終的に1万6000ドルの補償を受け取ることができました。これは決して特別な例ではなく、アメリカでは法的知識と交渉力があるかどうかで結果が大きく変わるのです。

また、ハワイでは加害者が最低限の保険しか持っていない、あるいは無保険のケースもあります。そうしたリスクに備え、UI/UIM(無保険・過小保険ドライバー補償)や、複数の保険契約を組み合わせる「スタック」も検討すべきです。持家の方はHomeowners Insurance(住宅保険)で補償されることもあります。

 

弁護士費用は「成功報酬制」で安心

「弁護士に依頼したら高額な費用がかかるのでは?」と不安に思う方も多いかもしれません。全ての法律事務所がそうとは限りませんが、当事務所では、交通事故の多くの案件で成功報酬制(獲得金額の3割~4割程度)を採用しています。つまり、もし保険会社から補償が得られなければ弁護士費用はかかりません。



日本では保険会社に直接連絡するのが一般的ですが、アメリカでは弁護士に相談するのが基本です。一度示談で書類にサインしてしまうと、それ以上の請求はできなくなります。事故後はできるだけ早く法律の専門家に相談することをおすすめします。

アンドリュー大助スチュワート (ハワイ州弁護士) 


住所:735 Bishop St., #318, Honolulu, HI
電話:808-772-9407
メール:showalaw@hawaii-bengoshi.com
HP:www.hawaii-bengoshi.com

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